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飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるのはOK?メリット・デメリットを徹底比較

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入社して1ヶ月しか経っていないにもかかわらず退職するとなると「転職に悪影響はないか」「そもそも1ヶ月で辞めていいものなのか」と不安に感じる方もいるはずです。

 

この記事では、飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるのは可能なのかを解説した上で、1ヶ月で辞めることのメリット・デメリットをご紹介します。

 

また、飲食店の正社員を退職する際の具体的なアクションや辞める際に起きがちなトラブルとその対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

この記事を書いた人
オータク
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飲食業界で10年以上働いたものの、長時間労働に耐えられず退職。その後転職し同じ給料で労働時間が半分になった人。現在はフリーランスとして自宅で働いています。

 

 

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めることは可能?

結論からお伝えすると、1ヶ月でも1週間でも在籍期間にかかわず、いつでも飲食店の正社員を辞めることは可能です。

 

なぜなら、民法によって労働者はいつでも退職できる権利があることが定められているためです。

 

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:デジタル庁 e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)

 

法律上、いつでも辞めることは可能ですが、遅くとも退職日の2週間前には申し入れしなければならないというルールになっています。

1ヶ月どころか3日以内に辞めている人も結構いる

飲食を含む「正社員」という視点で見ると、1ヶ月どころか3日など、もっと早く退職している方もいるようです。

 

株式会社ビズヒッツが入社後1ヶ月以内に転職した経験のある方383人を対象に行った調査の中で「入社後何日で転職しましたか」と質問したところ、回答は以下の結果となったようです。

 

退職した日数 人数 割合
〜3日 72人 約18.8%
〜1週間 62人 約16.2%
〜2週間 84人 約21.9%
〜3週間 102人 約26.6%
〜1ヶ月 63人 約16.4%

出典:株式会社ビズヒッツ 入社後すぐ転職はNG?入社1ヶ月以内に転職した理由ランキング【経験者383人アンケート調査】

 

実際にこのような方もいるので、正社員を1ヶ月で辞められるのは間違いないでしょう。

飲食店の正社員を1ヶ月で辞める場合のメリットとデメリットを比較し、辞めるかどうか自分で決めましょう

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めることは、法律上問題ないとされています。

 

とはいえ、飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるのであれば、事前にそのメリットとデメリットを把握しておく必要があります。

 

なぜなら、辞めることによるメリットばかりに目を向けていると、辞めた後に後悔する可能性があるためです。

 

そこでここからは、飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるメリット

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるメリットは以下の通りです。

 

 

ストレスを感じ続けなくてよくなる

せっかく入社したにもかかわらず、1ヶ月で辞めたいと感じてしまっているということは、恐らく何かしらの強いストレスを感じているのではないでしょうか。

 

「辞めたい」と思うのには何か理由があるはず!

 

上司や従業員との人間関係からなのか、お客様のクレームからなのかはわかりませんが、すぐに退職することでそのストレスの原因から離れられるため、ストレスを感じ続けなくてよくなります。

 

「我慢も時には必要」「今が頑張りどき」などと言う方もいらっしゃいますが、強いストレスを受け続けてしまうと、最悪の場合精神的に病んでしまう可能性もあります。

 

そのような状況になってしまうことを防げるのは、飲食店正社員を1ヶ月で辞める大きなメリットといえるでしょう。

自分に向いている条件の仕事に早く出会える可能性が高まる

1ヶ月で辞めたくなるということは、会社やお店選びを間違えたということになります。

 

間違えたというと聞こえが悪いですが、仕事選びに失敗した原因や理由を考え、次以降の転職に活かすことができれば、自分に合った仕事に出会える可能性が高まるという考え方もできます。

 

例えば、就職した飲食店が毎日15時間労働で、体力的に耐えられないと思ったのであれば、労働時間がもう少し短い飲食店や会社を目指して転職活動すればよいことがわかります。

 

また、人間関係に疲れると感じているのであれば、チームでの作業が必要な飲食を辞め、できるだけ1人で作業できる仕事を中心に探せば、自分に合ったものが見つかる可能性が高まるでしょう。

 

私は5回転職してようやく自分に向いている条件の仕事を見つけられました!

 

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めることで自分がどのような条件・場所で働きたいかがある程度明確になっているはずなので、仕事探しを効率的に行えるはずです。

時間を無駄にしなくて済む

「辞めたい」と思いながら飲食店を続けても、スキルの上達は難しいですし、楽しくもありません。とりあえず働けば給料は入ってくるかもしれませんが、そこで働いている間も自分の時間はどんどん消費され続けています。

 

しかし1ヶ月などですぐ辞める判断をし、自分に合う仕事・お店に転職できれば、上記のような状態を回避できるでしょう。

 

また一般的に、年齢が上がるごとに転職すること自体が難しくなるとも言われています。

 

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めることで自分の時間を無駄にしなくて済み、さまざまなチャンスを掴む機会を得られる可能性も高まるはずです。

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるデメリット

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めるデメリットは以下の3つです。

 

次の転職に不利になる可能性がある

これは皆さん気にされていることかと思いますが、飲食店から1ヶ月で辞めた場合、転職に不利になってしまう可能性があります。

 

なぜなら、1ヶ月など短期間で退職すると、そうではなかったとしても「採用してもすぐに辞めてしまうのでは」「何か問題があるのではないか」と感じられやすいためです。

 

「人事バンク」が行ったアンケート調査によると、書類選考の合否を判断するポイントとして、割合は低いものの「在籍期間」を選んでいる方も見受けられます。

 

出典:人事バンク 「面接ドタキャン」に悩み、「即戦力」を求め、「入社意欲」を気にし、「社内コミュニケーション」に勤しむ人事担当者たち

 

実際私も短期で仕事を辞めて転職か活動をしたことがありますが、やはり面接官に「この期間が短いのはなぜ?」といったことは質問されましたね…

 

書類選考をパスし面接までいけば、1ヶ月での離職について突っ込まれることは理解しておく必要があるでしょう。

失業保険がもらえない可能性がある

飲食店を1ヶ月で辞めたとしてもすぐに転職先が見つかればよいですが、場合によってはなかなか見つからないケースもあるでしょう。

 

その場合、空白期間は無収入となってしまいます。そんなときに活躍するのが失業保険です。

 

失業保険とは?

離職した方が経済的な心配をせずに就職活動ができるよう、失業中にお金を支給してくれる制度のこと。正式名称は基本手当ですが、一般的には失業保険・失業手当と呼ばれています。

参考:厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について

 

便利な失業保険ですが、支給を受けるためには離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが条件の1つとなっています。そのため、飲食店の正社員を1ヶ月で辞めてしまった場合、受給できない可能性があるのです。

 

飲食店の正社員は給料が低いケースも多いため、失業保険がなければ就職活動が長引いた場合に、生活が大変になってしまう方もいるかもしれません。

 

今辞めて本当に生活は大丈夫なのか、大丈夫でない場合は失業保険を受給できるのか、ひとまずバイトでしのぐのかなど、お金のことについては考えておく必要があるでしょう。

短期離職を繰り返してしまう可能性がある

仕事を辞めること自体は実はそこまで難しくありません。そのため、1度転職を経験すると退職に対するハードルがグッと下がります。

 

これにより、次の会社で少し嫌なことがあると「簡単に辞められるんだから辞めればいいや」となる、いわゆる「辞め癖」がついてしまう可能性があります。

 

何らかの理由があって飲食店を辞めることは悪くないのですが、辞め癖がついてしまい、何度も転職を繰り返すと、履歴書が「入社→退職」の連続になってしまいます。

 

私もこれに近い状況なのですが、面接官に「いろいろな経験をされてるんですねー」という嫌味っぽいことを言われた経験があります…

 

また、辞め癖がつくことで、以下のような事態も発生します。

 

  • いつまで経っても調理・マネジメントなどのスキルが身につかない
  • 「自分は仕事が続けられないんだ…」と自信をなくす
  • 我慢ができなくなる

 

これは自分次第なところもありますが、飲食店を1ヶ月で辞めると辞め癖がつき、転職で不利になってしまったり、スキルが身につかないといった点もデメリットです。

デメリットが許容できるのであればすぐに辞めるために行動しましょう

ここまで1ヶ月で飲食店の正社員を辞めるメリットとデメリットをご紹介してきましたが、比較してみてどうでしたか?

 

「このデメリットは大きすぎるな…」と感じた方はまだ辞めずに、今の飲食店で起きている問題を解決するなど、続ける方法を模索する方がよいかもしれません。

 

反対に「これくらいのデメリットならメリットの方が全然大きい」と感じる方は、すぐにでも辞めるためのアクションを起こして行くほうがよいでしょう。

 

次章から、すぐに辞めたい方向けに、飲食店の正社員を辞めるための具体的なアクションをご紹介します。

飲食店の正社員を辞めるための具体的なアクション

飲食店の正社員を辞めるためにやるべきことは以下の通りです。

 

  • 転職活動を始める【できるだけ早く】
  • 会社に退職する旨を伝える【2ヶ月〜1ヶ月前】
  • 退職願・退職届を提出する【1ヶ月前】
  • 業務の引き継ぎ・有給休暇の消化・挨拶【1ヶ月〜当日】

転職活動を始める【できるだけ早く】

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めると決めたのであれば、すぐに転職活動を始めましょう。

 

「まぁすぐに決まるだろう」とゆっくりしていると、もし転職活動に難航した場合に仕事が決まらず、無収入の期間が長くなってしまいます。 また、仕事がなかなか決まらなかった場合、履歴書の空白期間が長くなってしまうことも早く始めた方がよい理由の1つです。

 

すぐに始められる転職活動の例としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 転職サイトをチェックし始める
  • 転職エージェントに登録する
  • ハローワークで求職登録する

 

飲食店で働く方の中には長時間労働で自分の時間がなかなか取れない方もいるかもしれませんが、だからといって後ろ倒しにすると転職活動が終わりません。

 

早めにできることから始め、少しずつでも前に進めていきましょう。

 

◆飲食業からの転職に失敗しないコツを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

飲食業から転職したい!失敗しないコツ・おすすめ業種を解説 - オータクログ

飲食店・会社に退職する旨を伝える【2ヶ月〜1ヶ月前】

遅くとも退職する1ヶ月前には、働いている飲食店・会社に退職する旨を伝えましょう。

 

伝える際は、直属の上司に伝えるのがスマートです。例えば、料理人なら料理長、ファミレスの店員に伝えましょう。

 

民法上は期間の定めのない正社員であれば2週間前に申し出れば問題ありませんが、実際には後任者の手配や業務の引き継ぎなどもあるため、円満に辞めることを考えるのであれば早めに伝えるのが無難です。

 

上司や会社からの心象を悪くし、無駄なトラブルを起こさないよう、批判や不満などは述べず、感謝の気持ちを示しながら丁寧に伝えるのがポイントです。

退職願・退職届を提出する【1ヶ月前】

飲食店にもよりますが、退職願・退職届を提出します。

 

退職願・退職届それぞれの役割は以下の通りです。

 

  • 退職願:お店や会社の退職を願い出る書類。飲食店によっては不要な場合も
  • 退職届:退職の申し出が受け入れられ、退職日が確定した後に事務手続きとして提出する書類。会社専用の書式がある場合も

 

上司や退職を担当する部門などに確認し、必要に応じて退職願・退職届を提出しましょう。

業務の引き継ぎ・有給休暇の消化・挨拶【1ヶ月〜当日】

無事に退職が決まれば、辞めるまでにやるべき引き継ぎや有給休暇の消化・挨拶などを行いましょう。

 

引き継ぎや挨拶は相手があることですし、有給休暇の消化もほかのスタッフとの兼ね合いになってくるため、スケジューリングや調整が重要になります。

 

スケジューリングや調整がうまくできないと業務の引き継ぎがうまくできなかったり、有給休暇が使い切れなかったりといった問題が発生してしまいます。

 

できるだけ早い段階でスケジュールの計画を立て、退職日までにスムーズに実施できるようにしておきましょう。

飲食店の正社員を辞めるときに起こりがちなトラブルと対処法

飲食店の正社員を辞める際、何かしらのトラブルが発生しスムーズに進まないことがあります。

 

そこでここからは、飲食店の正社員を辞めるときに起こりがちなトラブルとその対処法を解説します。

トラブル①:会社から強く引き止められる

1ヶ月しか働いていないとはいえ「今辞められたらまた人手が不足する」「次が決まるまでは残ってくれないか」などの理由で引き止められることがあります。

 

会社としてはせっかく採用したのに辞められたら、また求人を出して面接して…と金銭的にも時間的にも大きな負担がかかることは間違いないですもんね。

 

ただ、少しでも思いとどまる様子を見せてしまうと「引き止められるかも」と思わせてしまうため、毅然とした態度で退職の意思を伝えることが重要です。

 

そのような場合「引き止めていただいたことは光栄ですが」と伝え「すでに転職先が決まっている」「家族にも伝えているため引き返すことができない」などと言い、丁重にお断りしましょう。

トラブル②:退職を認めてもらえない

場合によっては「1ヶ月での退職なんて認めない!」「代わりを見つけるまでは辞めさせない!」と言われてしまう可能性もあるでしょう。

 

しかし、民法上は2週間前に申し出ればいつでも退職は可能となっていますので、気にする必要はありません。

 

お店や会社が退職を認めてくれないようであれば、退職の意思を示したことを証拠として残すため、内容証明郵便で退職届を提出しましょう。

 

内容証明郵便とは?

いつ・誰から誰宛てに、どのような内容の郵便物が送られたかを差出人が作成する謄本によって証明される郵便のこと。

 

退職届を会社が受け取って2週間が経てば、民法上は退職したという扱いになるようです。

 

また、このような手続きが手間、よくわからないと感じる場合は、退職代行サービスを活用する方法もあります。

 

コストはかかってしまいますが、飲食店関係者と直接話す必要がなくなるため、引き止めにあったり、辞めさせてくれなかったりといったトラブルに悩まされる可能性が低くなるのがメリットです。

まとめ

飲食店の正社員を1ヶ月で辞めることは、ルール上問題ありません。

 

ただし、1ヶ月で辞めたことを履歴書には書かなくてはならないため転職で不利になったり、辞め癖がついてしまったりする可能性がある点は頭に入れておく必要があるでしょう。

 

もし、このデメリットよりも辞めたい気持ちが強いのであれば、すぐに退職に向けて動き出しましょう。

 

早めに動き出すことで、辞めたいと思いながら過ごす無駄な時間を少なくできますよ。